株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソースは、2023年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に、「大学生が選んだ就職先人気企業ランキング調査」を実施した。1978年の調査開始以来45年度目となる。有効回答5,377名。

 文系男子ランキングは、総合商社、大手金融に人気が集中。伊藤忠商事が3年連続で1位となったほか、三菱商事(2位)、三井物産(3位)、丸紅(6位)、住友商事(9位)と総合商社がトップ10に5社ランクイン。大手金融機関は東京海上日動火災保険が(4位)、三井住友海上火災保険(5位)、損害保険ジャパン(10位)、4月に60年ぶりの市場再編を控え、業績も好調な大和証券グループ(7位)、業務効率化の進むメガバンク三井住友銀行が(8位)とトップ10に5社ランクインした。

 理系男子ランキングは、総合商社に人気が復活。三菱商事が2年ぶりに首位に返り咲いたほか三井物産(2位)、伊藤忠商事(3位)、住友商事(5位)、丸紅(6位)と文系男子同様、総合商社5社がトップ10入り。一方で電機、自動車、重工業など大手メーカーは日立製作所(12位)が最高位で、全般的に人気は伸び悩んだ。

 文系女子ランキングは、女性推進積極企業が上位に。伊藤忠商事が2020年夏(2022年卒前半戦調査)以来の1位となり文系男子と2冠を達成。採用ホームページに登場する先輩社員の半数以上が女性と、積極的な情報発信を行っているほか「働き方改革」への先進的な取り組みも人気の一因となったようだ。2位は、社員の約半数を女性が占め、女性執行役員が6名とロールモデルも豊富な東京海上日動火災、3位は、総合職の新卒採用に占める女性の割合を2024年までに4~5割程度に引き上げることを社長自ら宣言した丸紅となった。

 理系女子ランキングは、森ビルが昨年に引き続き1位となったほか、NTT都市開発(4位)、三井不動産(5位)、大成建設(6位)とコロナ禍による業績の影響が比較的少ない内需型の不動産デベロッパー・ゼネコンが4社トップ10入り。また、2位伊藤忠商事、3位三井物産、8位丸紅と文理男子、文系女子でも人気を集めた総合商社はトップ10に3社ランクインした。

 今後のウクライナ情勢により見通しは不透明ながら、2023年新卒採用予定数は拡大が見込まれている。ダイヤモンド・ヒューマンリソースが実施した学生モニターアンケートでは、3月時点で内定を獲得した学生は13.5%と前年同時期(6.3%)から倍増。早いペースで就職活動が進行する一方で、採用広報解禁日である3月1日に始まるエントリー社数は平均22.9社と前年の26.6社から減少。採用広報解禁前の1日仕事体験、キャリア支援プログラム等を含めた「インターンシップ類」での接触を起点として、実質的な採用選考が進んでいる様子がうかがえる。

参考:【株式会社ダイヤモンド・ヒューマンリソース】2022年【春】(2023卒・就活後半戦調査)
大学生が選んだ就職先人気企業ランキング

大学ジャーナルオンライン編集部

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