電気通信大学は富士通研究所と共同で、人工知能(AI)を使った都市の警備計画の支援技術を開発した。数学理論の一つである「ゲーム理論」を用い、犯罪者を捕まえるための検問所の配置などを想定した「警備配置問題」を高速に解くアルゴリズムを考案。従来は数日かかっていた20万個の交差点がある道路ネットワーク(東京23区規模)の警備計画の立案を5分程度で行える。これまで現実的な計算時間では解けなかった問題が、計算の大幅な高速化により、実際の都市へ適用できるようになるとみている。

 道路ネットワークの中には、検問所を配置したことによる“警備効果”が高い箇所と低い箇所がある。この警備効果の低い箇所を配置の候補から外すなど工夫して、警察側の行動のパターン数を大幅に減らした。約3万通りの擬似的な道路ネットワークをシミュレーションしたところ、99%以上の問題に対して、開発したアルゴリズムが最も警備効果が高い解を見つけられることを確認した。

 人が多く集まる場所では、犯罪者の侵入や逃走の経路を完全に封鎖することは難しい。そのため、警備員を効果的に配置して被害を最小に抑えることが求められる。これまで警備計画の立案は専門家の経験や勘に委ねられていたが、近年、専門家の判断を支援する技術として、攻守それぞれの行動を数理的に記述するゲーム理論が注目されている。

電気通信大学

人類の持続的発展に貢献する知と技の創造と実践を目指し、総合的実践力のある高度な技術者、研究者を養成する

電気通信大学は1918(大正7)年に無線通信技術者の養成機関として創設された社団法人電信協会管理無線電信講習所がその起源です。理工系の分野において科学技術イノベーションを先導し知識基盤社会を支える高度人材の育成と輩出を目指します。[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。