北見工業大学と芝浦工業大学の研究グループは、新型コロナウイルス感染症によるパンデミック時に世界各国で導入されたデジタル接触確認アプリの「終わり方」を網羅的に調査し、稼働状況の全体像を世界で初めて可視化した。
今回のパンデミックにおいて世界各国で導入されたデジタル接触確認(DCT)アプリは、日本で導入された COCOAと同じく、多くが既に運用を終了した。感染抑制に効果があるなら継続的な運用が合理的なはずだが、各国のアプリが、いつ、どういう理由で終了したのかという点は整理されていなかった。
そこで研究グループは、158か国・地域にまたがる184の公開済みのDCT アプリを特定し、網羅性の高い台帳を構築。各アプリの運用状況と終了理由をオンライン調査した。また、各国の感染者数データ、ワクチン接種率データを集積し、各国の感染動向と各アプリの導入、終了のタイミングを比較可能な形に整理した。
その結果、45.7%が既に運用を終了。その終了理由を (1)政策の転換、(2)プライバシー上の懸念、(3)技術的制約、(4)利用者の信頼・受容、(5)感染状況・流行段階の5つに整理することができた。
また、DCTアプリの運用状況を各国の感染状況と比較して、感染終息前に運用終了、感染の終息後まで継続運用、運用終了後に再流行、といった各パターンに整理できた。さらに、 Google/Appleの提供する接触確認技術を利用しない DCTアプリは、プライバシーや技術的な問題から早期に終了しやすい傾向があった。
一部の国では DCTアプリの終了後にも感染拡大が生じており、今回の成果は、今後必要となる「パンデミックを通して継続的に運用可能な DCTアプリ」の開発に向けた基盤となることが期待されるとしている。
