北海道で暮らす65歳以上の高齢者の4.1%が、適切な外来診療を受ければ回避可能な入院を経験していることが、北海道大学大学院医学研究院、同大学大学院保健科学研究院の研究で明らかになった。
研究グループは国民健康保険と後期高齢者医療制度の診療報酬明細書データを用い、北海道の全179市町村を対象に、2022年下半期に2回以上外来受診していた高齢者約127万人を1年間追跡し、2023年に「外来診療の充実によって回避可能と考えられる入院(回避可能な入院)」をしたかどうかを調べた。
なお「回避可能な入院」は日本に独自の定義がないため、英国が定める急性疾患、慢性疾患、ワクチンで予防可能な疾患の3カテゴリーで計19の疾患と状態による入院とした。
それによると、年間4.1%の高齢者が「回避可能な入院」を経験していたことがわかった。「回避可能な入院」が少ない地域は、65歳以上人口当たりの診療所数、介護老人保健施設(リハビリテーション施設)のベッド数、在宅療養支援診療所数が多く、自治体の財政力が高い傾向にあった。一方で、「回避可能な入院」が多い地域は一人暮らしの高齢者が多く、特別養護老人ホームなどの介護施設ベッド数が多い、課税対象所得が高いという特徴があった。
研究グループは、外来診療や在宅医療、リハビリ体制を充実させるとともに、高齢者の単身世帯への支援や医療と介護のより密な連携を図ることで「回避可能な入院」を減らすことができるとみている。また、地域ごとに「回避可能な入院」をモニタリングすることで今後の地域医療計画や介護保険事業計画の立案に活かすことも考えられる。

