山梨大学の研究チームは、小学2年生を対象にした調査から、鼻炎の子どもは腸内細菌の種類が少なく、腸の粘膜を保つ菌や免疫の働きを整える菌が減少し、炎症に関わる菌が増加していることを明らかにした。
環境省は、化学物質ばく露の子どもへの影響について、2010年度から大規模長期出生コホート調査である「エコチル調査」を実施している。山梨県内の調査を担当する山梨大学「甲信ユニットセンター」が、今回独自の「追加調査」を実施。2019年7月~2022年11月に山梨大学で実施した「エコチル調査8歳学童期総合健診」に参加した小学2年生857人を対象に、アレルギー性鼻炎と腸内細菌との関連を解析した。
その結果、鼻炎の子どもは腸内細菌の多様性が低下し、免疫バランスや粘膜の防御機能を支える菌が減少していることが分かった。特に、腸の粘膜バリアを守る菌「Akkermansia(アッカーマンシア)」や免疫の働きを整える菌「Alloprevotella(アロプレボテラ)」などが減少し、炎症や酸化ストレスに関係する代謝経路が活性化していた。
また、症状が重い子どもほど腸内細菌の多様性が低く、エネルギー代謝や短鎖脂肪酸の産生に関わる機能が低下していた。重症群では、炎症を抑える役割をもつ菌「Faecalibacterium(フェカリバクテリウム)」や「Prevotella(プレボテラ)」などが減少し、腸内環境のバランスが大きく崩れていた。
これにより、腸内環境の乱れが鼻炎の発症や重症化に関連している可能性が示唆され、腸内細菌のバランスを整えることが新しい予防や治療の鍵になる可能性が示された。今後は、腸内環境による鼻炎の症状改善や、食事や生活習慣などの腸内環境への影響に関する調査を進め、子どものアレルギー予防法の発見を目指すとしている。
