豊橋技術科学大学次世代半導体・センサ科学研究所の沼野利佳教授、金沢大学理工研究域の程肇名誉教授、大阪大学大学院歯学研究科の高畑佳史准教授、東京科学大学生命理工学院の瓜生耕一郎准教授らの研究グループは、哺乳類の体内時計を進めるよう働きかける化合物を発見した。
海外渡航や交代勤務制の職場では、環境と体内時計の時間のずれから強い時差ボケや睡眠障害が起きることもある。日本から米国へ向かう東向きの移動では体内時計を進める必要があるが、後退させるより難しく、体の同調により多くの時間がかかっていた。
研究グループは人工的に作った化合物の中から哺乳類の体内時計に影響を与える化合物を見つけ、マウスに経口投与したところ、体内時計の中枢に当たる脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)と肝臓や肺の体内時計を前進させ、行動リズムを常に2時間早めることを確認した。
光の周期を6時間早めて時差ぼけにしたマウスに投与すると、これまで時差ボケ解消に約7日かかっていたところ、4日で元に戻った。研究グループはこの化合物が服用タイミングにかかわらず体内時計を「進める」方向のみに働く、時差ボケ治療薬開発につながると期待している。
論文情報:【PNAS】A Period1 inducer specifically advances circadian clock in mice


