芝浦工業大学の新熊 亮一教授らの研究チームは、デジタルツインの安全性を飛躍的に高める「マルチLiDAR異常検知技術」を開発し、特許出願を行った。本技術は、同大学認定ベンチャーの事業に導入され、自律移動支援や都市DXインフラのセキュリティの強固に活用される。
現実空間(フィジカル)の情報を仮想空間(サイバー)に写し出すデジタルツインにおいて、センサーから送られるデータが正確であることは安全性の前提条件。しかし、複数のLiDARが混在する高密度な環境では、悪意ある信号の注入や機器の故障、相互干渉によるデータの誤りが、サイバー空間での誤判断を招き、重大な事故につながるリスクがある。
芝浦工業大学が分担機関(代表機関は株式会社KDDI総合研究所)として進めた研究開発プロジェクト「デジタルツインによるサイバー・フィジカル連携型セキュリティ基盤」により、研究チームは今回、複数のLiDARから得られる多重的な情報を解析し、整合性をリアルタイムで評価することで、異常を即座に検知・分離するアルゴリズムを開発した。
現実空間を再現するLiDARネットワークでのデータ改ざん・故障などの異常検知により、デジタルツイン全体の信頼性を担保するこの技術は、すでに特許出願が行われており、芝浦工業大学認定ベンチャー第1号の株式会社ハイパーデジタルツイン(2022年設立)が展開する事業に導入される。
ハイパーデジタルツインは、自律移動ロボットや車両の走行支援を行うデジタルツイン基盤を構築しており、今回開発した技術を実装することで、外部干渉や故障に強い「高信頼・高セキュリティなインフラ」の提供を実現するとしている。
