筑波大学システム情報系の平田祥人教授らの研究グループは、データサイエンス教育において、受講生の興味に合わせた応用例の提示や、受講生から集めたデータを受講生自身が解析することで、学習効果が高まることを明らかにした。

 データサイエンスは、さまざまなデータを数学やコンピュータで解析して自然界や社会を深く理解し、適切な行動を導き出す学問分野。今回、筑波大学全学の1年次必修科目の共通科目「データサイエンス」の授業(2019〜2023 年度開講分、計8509 人対象)で、アンケートや客観テストによる効果測定結果を解析し、データサイエンスの教育効果を高める受講生の特徴と授業法とを評価した。

 その結果、受講生の興味に合った専門分野の導入ビデオがある場合、主観的な理解度が高い傾向にあること、授業の中での演習の量が多い場合に、客観テストの点数が高くなる傾向があること、また、授業期間の終了に近い時点で多くの専門用語が説明できると自己申告する受講生ほど、客観テストの点数が高い傾向にあることを見いだした。

 そこで、2020 年度から導入ビデオで扱う応用分野の種類を年度ごとに徐々に増やしたところ、客観テストの結果を比較すると、この方法の実施後は前年度より約15%高い点数となった。また、アンケートでは、授業終了時点にデータサイエンスに対する関心が高まったと考える受講生の割合が、実施前に比べて約11%多くなった。

 これらは、データサイエンスの教育でも、内的動機づけと呼ばれる心理学理論に基づく教育手法の有効性を示唆するものという。この成果により、授業をデータサイエンスで分析することで、その質的向上に貢献できるとしている。

論文情報:【Discover Data】Targeting students’ interests to facilitate their learning of data science

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