2026年3月6日、日本女子大学は、日本古来の製錬技術「たたら製鉄」の体験を目白キャンパスで開催した。かつては“女人禁制”であった伝統技術を女子大学生が建築・歴史・理学といった文理双方の観点で学び・体験するという取り組みであり、ものづくり教育たたら連絡会らの協力を得て行われた。
本プログラムは文理双方の観点で研究・学修する『文理横断異分野連携プロジェクト』として、建築デザイン学科・史学科・理学部が連携して実施している。千年以上にわたり日本の鉄文化を支えてきた「たたら製鉄」の技術的側面だけでなく、歴史的背景や地域社会とのつながり、ものづくり教育への応用可能性までを、女子大学ならではの視点で総合的に探究する。
当日は、建築デザイン学科、史学科、理学部の学生63名が参加し、「たたら製鉄」の一連の工程を実際に体験した。学生たちは、自らが設置した炉に木炭を投入して交代でふいごを使って風を送り込み、自ら採取した砂鉄を投入。溶けて真っ赤になった鉄の塊「ケラ」を炉を壊して取り出し、水で冷やした。「たたら製鉄」と並行して、平安時代から続く甲冑師の家系・明珍宗敬氏(53代目当主)による鍛冶体験も行われた。
製鉄に使った砂鉄は、砂鉄の名産地・鳥取県米子市の協力を得て米子市弓ヶ浜で採取したもので、建築デザイン学科の学生たちが江戸時代に砂鉄採取で使われていた「小鉄舟(こがねぶね)」を原寸大で再現し、地元市民が採取を試みた。さらに生成された「ケラ」は現地へ里帰りさせることになっており、鉄を作るだけでなく、日本の歴史と共に培われた文化を文理双方で継承する取組みでもあり、地域連携プロジェクトにもなっている。
今後は理学部で砂鉄と製鉄したケラの採取地による差異を分析・比較する予定。学生は産地返還や成分分析、製鉄にまつわる地域文化の調査などを通して、実践的な学びを深めていく。
参考:【日本女子大学】日本女子大学の文理横断異分野連携プロジェクト 「たたら製鉄」イベントで 10.5kg の鉄塊(ケラ)を抽出 砂鉄採取から炉の設置、製錬までを学生たちが実践(PDF)
