京都大学大学院医学研究科の今中雄一教授、森下哲司客員研究員、同志社女子大学生活科学部の高田大輔准教授(当時)らの研究グループが、2024年に導入された医師の働き方改革が循環器救急医療にどのような影響を与えたか調べたところ、影響が見られなかった。
研究グループは京都大学の医療の質向上プロジェクトで得られた2014~2024年に全国163施設で行われた緊急カテーテル治療、血管バイパス手術など心血管治療症例約33万件を分析し、働き方改革の影響を調べた。
それによると、緊急カテーテル治療、血管バイパス手術、院内死亡率とも働き方改革の導入前後で有意な変化が見られなかった。休日や夜間の症例、来院90分以内の緊急治療例などに分けて分析しても同様の結果が出ている。
長期的な影響が未評価なうえ、実際の労働時間順守状況が不明などの課題がいくつか残るものの、研究グループは働き方改革が初期段階で循環器救急医療現場に影響を与えなかったとみている。
医師の長時間労働が世界的な問題に浮上する中、日本では2024年4月、時間外労働の上限規制が導入された。しかし、循環器救急医療は心筋梗塞など迅速な対応が要求されるため、これまで通りの医療提供に不安の声が上がっていた。研究グループは今後は長期的な影響や他診療領域への影響についても検証していくとしている。

