九州工業大学は、学部生らが開発した人工衛星を2016年度に国際宇宙ステーションへ打ち上げることを発表しました。打ち上げられた衛星は、日本の実験棟「きぼう」から宇宙空間へと放出しされ、人工衛星の小型化および軽量化に向けた新たな技術開発のための実証実験を行います。

 人工衛星は、シンガポールの南洋理工大学と共同開発しているプロジェクトで、メンバーは、同大の学生51人とシンガポール南洋理工大の学生3人の合計54人で、うち同大の学部生が45人を占めます。これまで、全国的に大学院生による人工衛星の開発事例は多いですが、今回のような学部生が主導で行う事例は珍しく、同大でも初めての試みとなります。

「AOBA-VELOX3」と名づけられた人工衛星には、「今は未熟な若い芽でもいつか青葉のように成長したい」という学生たちの願いが込められています。大きさは、縦、横ともに10センチ、高さ22センチの直方体で、重さは約2キロという超小型なのが特徴です。振動による故障リスクを減らすため、内部の複雑な配線をできるだけ少なくするなど工夫されています。

高度約400キロの宇宙空間での実証実験は約200日かけて行われます。内容は、人工衛星のセンサーと集積回路との情報伝達をワイヤレスで行う実験や南洋理工大学が開発したプラズマを使ったエンジンが超小型衛星でも機能できるかなどが検証され、これらの実験で得たデータは九州工業大学の研究室に送信されることになっています。

出典: 【九州工業大学】「PPT実証衛星 AOBA-VELOX-Ⅲ」がJAXAの「きぼう」から放出されることが決まりました
【九工大 人工衛星開発プロジェクト“あおば”】AOBAの記者会見が開かれました

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