東日本大震災で津波にのまれながら九死に一生を得た東京福祉大社会福祉学部4年の太田初子さん(71)=群馬県伊勢崎市=が今春、大学院に入学する。

 宮城県気仙沼市出身の太田初子さんは2011年3月11日、避難所に向かう途中で津波にのまれたが、ロープに必死につかまり助かったが、妹夫婦や知人など身近な人を震災で亡くした。

 その後しばらくして移った仮設住宅で、家を流されたり、家族を失ったショックや孤独から食事も取れず泣いてばかりいる人達をみて、「こういう人たちを少しでも減らしたい」との思いから仮設住宅で勉強し、12年に推薦で東京福祉大学社会福祉学部に合格。同大学の被災地支援の一環である、被災者への特別支援措置で授業料免除を受けることができた。4年間の大学での学びを経て、今春、同大大学院に入学する。

 太田さんは、20年以上前の事故の後遺症で未だ四肢に麻痺が残るが、自身の障害者としての被災経験を生かして、障害者や高齢者が安心して暮らせるようにと地域福祉を研究する予定だ。

大学ジャーナルオンライン編集部

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