名古屋市が2014年、全国に先駆けて市立中学校に配置した常勤スクールカウンセラーが、相談した生徒の肯定的評価を大きく高めたことが、名古屋市立大学大学院医学研究科と京都大学の研究で分かった。
近年深刻化する子どもの自殺や不登校、いじめなどの心理社会的課題に対して学校は早期支援の重要な場となるが、日本のスクールカウンセラーは非常勤が多く、継続的な支援や日常の接点不足が課題とされてきた。
名古屋市は2014年から常勤のスクールカウンセラーを市立中学校に配置するという全国的にも先進的な心理支援体制の構築を進めている。
そこで本研究では2014年から2021年に実施された中学生4万人超の調査データを用い、常勤スクールカウンセラー導入から7年間の利用状況、認知度、満足度の変化を調べた。
それによると、スクールカウンセラーへの相談経験率は2014年の2.6%が2021年には約4倍の10.3%に上がった。「スクールカウンセラーについて全く知らない」と答えた生徒も、2014年の30.3%が2021年に16.1%とほぼ半減しており認知度が大きく向上している。
さらに相談経験がある生徒のうち、肯定的な評価をしたのは、2014年の59.9%から2021年は95.1%へ大幅に増えた。教員を対象とした調査でも相談や支援活動が増え、保護者の認知度も高まっていた。
本研究によりスクールカウンセラーは配置だけでなく学校内で身近な存在であることが支援へのアクセス改善につながりうる可能性を示した。今後は不登校や自殺関連指標などよりハードなアウトカムに対しても、常勤スクールカウンセラーの配置との関連を検証する必要があるとしている。

