多彩な実務・実践関連授業による実践力向上

実践力が身についたと実感できた授業(Q4)では、やはり、実務・実習関連の授業が多くあげられていました。これも専門職大学の特長だと思われます。実務・実習関連の授業内容が、基礎理論科目と連動し理解しやすいことも一因になっていると考えられます。リハビリ系及び動物看護系では、他の職種との連携や社会人としてのマナーの重要性を学ぶ授業もあげられていました。

 

展開科目による「豊かな創造力」の涵養―そして新たなフィールドへの挑戦

展開科目(Q5)は、これまでの大学教育にはなかった、まさに専門職大学ならではの新しい教育課程です。展開科目の目指すところは、専門科目とそれらと関連する他分野の学びを通して変化の激しい社会に柔軟に対応できる発想力や応用力を身につけるところにあります。
展開科目は、他分野の知識が修得でき、多面的な学びができ、視野が広がり、柔軟な発想ができ、その体験は自らの専門領域にフィードバックされ、自らの知識と技術の向上を実感できる点からも、領域を問わず高い評価が得られています。展開科目が求める「豊かな創造力」の涵養が実践できていることは間違いなく、グローバル化に伴う他領域の理解にも一役買っているようです。展開科目からの学びにより、卒業後の新たな領域への挑戦も期待されます。

 

自己表現能力―これまでの自分からの脱皮

専門職大学での学びから成長を感じたこと(Q6)として、論理的思考、多角的な考え方、主体性、行動力、コミュニケーション力、プレゼンテーション力、他職種との連携の取り方など多彩な自己表現能力が身についたと、自らの成長を自覚しているようです。少人数教育、理論と実践が連動した学び、多くの実習による実践的学びができる専門職大学だからこそ成長できた能力と言えます。

 

 

描く夢は、新たなフィールドの牽引者。「高度な実践力」と「豊かな創造力」を武器に

 学生が描く将来像には、それぞれの領域で、専門職大学で培われた「高度な実践力」と「豊かな創造力」をもって地域社会へ貢献しようとする強い意欲が感じられます。また、すでに学生時代から明確な将来へのプロ意識をもっていることも強く感じます。これも専門職大学の学生の特長と思われます。「グローバルに活躍できる人材になりたい」「教育格差の是正に取り組みたい」「新たなフィールドに挑戦したい」「安全・安心な社会を作りたい」「人と自然をつなぐような仕事がしたい」など、壮大な夢が語られています。学生は、専門職大学での学びがあるからこそ可能となる新たな世界へのチャレンジ精神で満ちています。専門職大学での学びによって、それぞれの夢が実現することを願ってやみません。

 

まとめ

対象とした専門職大学の専門性は、前述の通りそれぞれ異なった領域でしたが、領域の違いにかかわらず学生が専門職大学にもつ印象は極めて良好で、提供される教育に対しての期待度や満足度は非常に高く、また専門職大学での学びから各自の将来への視界も開けていることがわかります。
今回のアンケートから、各々の専門職大学で設置の趣旨に沿う教育が実践されており、専門職大学の実践的教育は、まさにこれからの社会のニーズに応え得る教育であり、これからの社会において専門職大学の貢献度は極めて大きいものであることを実感しました。

 

※アンケート調査協力校(各大学1名)
大阪国際工科専門職大学
岡山医療専門職大学
高知リハビリテーション専門職大学
国際ファッション専門職大学
情報経営イノベーション専門職大学
東京国際工科専門職大学
東京保健医療専門職大学
名古屋国際工科専門職大学
農林環境専門職大学
農林環境専門職短期大学
びわこリハビリテーション専門職大学
ヤマザキ動物看護専門職短期大

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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