経済産業省の有識者会議がジュニア世代のスポーツ活動の場所を学校から地域へ移行させ、サービス業としての地域スポーツクラブを発展させるとする提言をまとめた。欧州では100年前後の歴史を持つ地域スポーツクラブがトップスポーツ(プロ・実業団・大学等)から地域のスポーツ活動を担う組織となっており、より大きなスポーツ産業という視座を持つ必要があるとしている。

 経産省によると、日本のジュニア世代のスポーツはこれまで、学校の部活動が支えてきたが、教員の過剰労働や少子化による生徒の減少で部活動を学校現場だけで担い切れなくなりつつある。
有識者会議はこうした現状を打破するにはジュニア世代のスポーツ環境を学校の部活動から地域に移行させる必要があると強調した。

 受け皿になると考えられているのが地域スポーツクラブで、提言はトップスポーツの興行の映像やチケットの販売、フィットネス・ヘルスケア用品の開発などが生むスポーツによる資金循環の中にサービス業として位置づけるべきだと提案している。

 欧州では、ドイツのバイエルン・ミュンヘン、イタリアのACミランなど地域のスポーツクラブがプロサッカーのトップチームを運営するだけでなく、ジュニア世代の地域スポーツやマイナー競技の普及などを担うサービス産業となっている。日本でも、1990年代にスタートしたサッカーのJリーグがそうした方向性を目指している。

参考:【経済産業省】地域×スポーツクラブ産業研究会の第1次提言を取りまとめました

大学ジャーナルオンライン編集部

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