工学院大学は、2017年度入試において一般入試志願者数が8年連続で増加し、過去最多となる2万人を超えたと発表した。入学志願者増の要因として、「社会のニーズに応じた学部・コースの改革と新設」を最優先事項と位置づけ、長期に渡り計画的に様々な事業を展開してきたことを挙げている。また、入学志願者と入学者数ともに女子学生比率が全体の20%を占めるほど増加。今後は、女性の技術者、研究者、建築士などの人材を育成し、社会に送り出すことで「働き方改革」への貢献にも繋げたい考えだ。

 昨今の理系離れや「文高理低」による影響を鑑み入学志願者数と入学者の質の確保を課題としてきた同大学は、2037年に迎える学園創立150周年に向け、方向性や社会における存在意義、および基本的価値を示す「Vision150」を2011年に策定。中期計画「コンパス2017」において「建築学部」(日本初)、「先進工学部」「情報学部システム数理学科」「工学部電気電子工学科」など学部・コースの改革と新設を中心に取り組んできた。

 教育改革のソフト面では2013年9月、日本初となる独自の留学プログラム「ハイブリッド留学®」を開始。ソーラーチームの世界大会参戦やNHK学生ロボコンへの9年連続出場など、学生創造活動(学生プロジェクト)を大学全体で支援する体制も整う。また、クォーター制を活用した基礎科目のステップアップ制の導入により初年次の単位修得状況が改善し、留年率および退学率減少という効果も出ている。
同時に教育環境の改革を進め、キャンパスの再構築、女子学生控室や多機能トイレなど女子学生向けの設備において新設と改修を実施した。

 研究面においては、総合研究所が核となり「生体分子システムを標的とした天然物由来新規生理活性物質の開発」など、プロジェクト研究を積極的に推進し、充実させた。年1回開かれるイノベーションジャパン(JST/NEDO主催)でも存在感を増し、採択出展数は2015年東日本私大第1位、2016年全国私大第1位となっている。
都市減災研究センターは2016年11月に文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」の採択を受け、「巨大都市・複合災害に対する建築・情報学融合によるエリア防災活動支援技術の開発と社会実装」への取り組みを始めている。

大学ジャーナルオンライン編集部

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