東京大学大学院工学系研究科の尹泰雄大学院生、アフマド・アフマド・バハア・オマル特任研究員、辻健教授らの研究グループは、既存の地震計で個人のプライバシーを損なうことなく、歩行者数を計測する新しいモニタリングシステムを開発した。

 研究グループは東京都文京区の東京大学本郷キャンパスの屋外で取得した地震計のデータに、信号に含まれる周波数を抽出・分析するスペクトル解析と機械学習を組み合わせた処理技術を適用し、振動データから80%以上の精度で歩行者数を計測するシステムを開発した。

 これによりカメラなど視覚データに頼らず、既存の地震計だけで都市の人流や混雑状況を定量的に把握できることを実証したわけで、プライバシー保護が求められる都市計画や防犯システム、防犯・警備、工場の安全管理、さらには高齢者や子供の見守りなど、幅広い応用分野で貢献することを期待している。

 スマートシティの発展に伴い、街の中の人流をリアルタイムに把握することが都市計画や防犯分野で重要になってきた。これまではGPS(全地球測位システム)や防犯カメラが用いられてきたが、個人情報保護が強く叫ばれる時代になり、プライバシーを守りながら計測する方法の開発が課題になっていた。

論文情報:【Earth Systems and Environment】Seismometer-Based Pedestrian Monitoring Using Spectral Feature Extraction and Deep Learning: A Privacy-Preserving Approach for Urban Mobility

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