岩手医科大学医学部の丹野高三教授、事崎由佳講師らが2011年の東日本大震災から6年後の住居形態と社会的孤立の関係を調べたところ、男性は被災後、賃貸住宅に暮らすと社会的孤立しやすい傾向が見られた。
研究グループは岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構が実施した住民コホート調査(特定集団の長期追跡調査)の第1回調査(2013~15年度)、第2回調査(2017~20年度)に参加した約1万6,600人のデータを用い、東日本大震災から6年後の住居形態と社会的孤立の関係を調べた。
それによると、男性は震災後、賃貸住宅に暮らす人ほど社会的孤立のリスクが高く、震災前と同じ家に住み続けた人に比べ、約2倍高かった。特にその傾向は65歳未満の人ほど強く出ている。逆に、被災地で自宅を再建した65歳未満の男性は、震災前と同じ家に住み続けた人に比べて社会的孤立のリスクが0.4倍とかなり低いことも分かった。
65歳以上の男性は仮設住宅に暮らす人ほど社会的孤立のリスクが高くなっていたが、第1回調査時点の状況を考慮すると、入居以前から社会的孤立状態にあった可能性が示唆された。女性は住居形態と社会的孤立の関係が男性より希薄だったが、65歳以上で友人や親族の家に居住する人に社会的孤立のリスクが高かった。
研究グループは震災復興の際、住まいの確保だけにとどまらず、社会的なつながり支援を中長期的に組み込む必要があると提言している。
