国際卓越研究大学への助成などに使用される10兆円規模の大学ファンドが2025年度、過去最高となる3,158億円の黒字を達成したことが、運用に当たる科学技術振興機構のまとめで分かった。海外株式や債券の運用が好調で、国際卓越研究大学に認定されている東北大学に169億円、東京科学大学に124億円が助成された。
科学技術振興機構によると、2025年度決算における当期純利益は前年度を598億円上回る3,158億円。米国の利下げやAI(人工知能)関連の株価上昇による米国株高、対ドル為替相場の円下落による米国債評価益の伸びなどが後押しした。
保有資産の時価評価による評価差額は1兆5,015億円、運用資産額は12兆2,542億円となった。資産構成割合は債権56.8%、株式28.8%、未上場株式と不動産など13.9%。
運用益は東北大学、東京科学大学への助成のほか、博士課程の学生支援に168億円、海外の若手研究者受け入れ事業に4億円を支援した。
夏ごろに国際卓越研究大学に正式認定される見通しの京都大学には、2026年度に約200億円の助成が予定されている。京都大学は小講座(研究室)を廃止して研究分野別の「デパートメント制」に移行し、その研究力を基盤とした「学位プログラム制」の導入に基づく新たな教育システムの構築など改革を行い、正式な国際卓越研究大学の認定及び体制強化計画の認可を目指す。
10兆円規模の大学ファンドは2022年3月、海外大学との研究資金力の差を埋め、日本の科学技術力を高める目的で運用が始まった。運用益が順調に増えれば、日本の科学技術力復活の原動力になると期待されている。
参考:【科学技術振興機構】2025年度業務概況書-大学ファンドの運用状況等-(PDF)
【京都大学】国際卓越研究大学の認定等に関する審査結果が公表されました