東北大学大学院の香田将英講師らの研究グループは、全国インターネット調査の約2万8000人を分析し、近所づきあいなどが良いと答えた人は、そうでない人より、災害への備えを行っている割合が高いことを明らかにした。
研究グループは今回、全国インターネット調査JACSIS2023の2万8481人の回答を、分析。家具の固定、食料・飲料・生活用品の備蓄、非常用持ち出しバッグ、家族の安否確認方法、自宅での避難場所・経路、外出先での避難場所・経路の6項目を調査し、さらに、地域の人への信頼、地域での助け合い、現在住む地域への愛着、近所づきあいの4項目を尋ね、6つの備えのそれぞれとの関連について割合の推定を行った。
その結果、地域とのつながりに関する4項目のいずれについても、良いと答えた人は、そうでない人より、6つの災害への備えを行っている割合が高く、24通り全てで同じ方向の関連がみられた。中でも、近所づきあいが良いと答えた人では、家族の安否確認方法を決めている割合が1.53倍、自宅での避難場所・避難経路を把握している割合が1.53倍、外出先での避難場所・避難経路を把握している割合が1.54倍だった。
また、20歳代は6つの備え全てで全年齢群中最も低い実施割合だった。一人暮らしでは家族の安否確認方法が17.9%、民間賃貸では家具の固定が21.6%だった。一方、70歳以上では食料・飲料などの備蓄が54.1%、自宅での避難場所・避難経路の把握が60.3%だった。全国での実施割合は、家族の安否確認方法の28.9%から、食料・飲料などの備蓄の42.4%までの範囲だった。
今回の研究は、生活条件に応じた支援に加え、地域とのつながりも視野に入れた防災施策を検討するための基礎的知見を提供するものとしている。

