大学独自の英語試験を原則廃止したことで、試験当日は大学独自の試験科目の2科目受験となる。この2科目の得点に英語資格・検定試験のスコアまたは大学入学共通テストの英語得点を加えた3科目の総合点で合否が判定される。また、受験機会を大きく拡大したことにより、同じ学部・学科(専修)を複数回受験でき、学内の他学部等を受験する学内併願もこれまでよりも圧倒的にし易くなる。また、文学部のみ、大学独自の「英語」、「国語」、「選択科目」の 3科目による試験日が1日設けられている。受験生の受験機会は、文系学部は最大5回に増加し、文学部は最大6回、理学部は最大2回となっている。なお、同一試験日での複数学科への出願はできない仕組みなので注意が必要だ。

 出願にあたっては、英語資格・検定試験の最低スコアは設定されておらず、スコアさえあれば出願が可能だ。また、出願期間の初日から遡って2年以内のスコアが有効と期間が長く設定されていることも受験生には有り難い。合否判定の際、スコアは統計的に処理されて点数化するなど利用する試験によっての有利、不利がないように配慮されている。英語資格・検定試験は7種類が利用でき、複数のスコアを持っている場合は、複数のスコアで出願が可能となっており、最も高得点に換算されたスコアが合否判定に採用される。

 また、大学入学共通テスト利用入試は、従来の大学入試センター試験利用入試から大きな変更はなく、「外国語」科目は、英語資格・検定試験のスコアを利用することもできる。この場合も得点換算されたスコアと大学入学共通テストの「外国語」の得点とどちらか高得点の方が合否判定に採用される。合否判定は大学入学共通テストの成績のみで行われ、複数学科、複数科目型(3科目型、4科目型、6科目型)の併願も可能だ。受験機会が拡大した全学部日程と併せるとさらに受験機会は増えることになる。
 今回の英語教育カリキュラムの刷新とそれに伴う入試改革によって、立教大学のグローバル教育は新たな段階へと進んでいくと見られる。留学生を含めた多様な学生同士が共に学び合うことによって、新しい教育効果が生み出されることだろう。

2021年度一般入試・大学入学共通テスト利用入試の入試要項について
https://www.rikkyo.ac.jp/admissions/news/2020/mknpps000001ck4a.html

 

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大学ジャーナルオンライン編集部

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