順天堂大学大学院医学研究科の葛西隆敏准教授、保健医療学部の鍵山暢之准教授、日本光電工業の研究グループは、新型コロナウイルス感染患者が自分で測定した血圧、体温などのバイタルサインを離れた場所でモニタリングするシステムを構築した。

 順天堂大学によると、新型コロナでは医療スタッフの感染を防ぐことが急務になっているが、血圧や体温、呼吸数などの測定には医療スタッフが患者の病室などを訪れて実施しており、この際の感染が懸念されていた。

 このため、研究グループは患者が自分で体重・体温・動脈血酸素飽和度(SpO2)・血圧・脈拍・心拍を測定するとともに、ベッドの下に配置されたマットタイプのセンサーで呼吸数を測れるシステムをつくった。データは自動的にアップロードされ、医療スタッフが離れた場所で監視できる。

 2020年5~9月の間に患者16人が実際に使用してみたところ、合計約3,800回分の測定データがアップロードされたが、実際に医療スタッフが測定したデータとよく一致していた。

 研究グループは感染症管理で医療スタッフの感染リスクと負担の軽減につながるとみており、実際の病院のニーズと照らし合わせて改良を進めることにしている。

論文情報:【Journal of Telemedicine and Telecare】Validation of Telemedicine-based Self-Assessment of Vital Signs for Patients with COVID-19:A Pilot Study

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