科学論文の図表を読み解き、科学的に解釈して実験データを構造化するマルチエージェントAI(※1)ワークフローDIVE (Descriptive Interpretation of Visual Expression) が、東北大学材料科学高等研究所の李昊教授、折茂慎一所長、東京大学大学院工学系研究科の佐藤龍平助教らの手で開発された。
研究チームは科学論文に挿入された図表を読み取るだけでなく、科学的な根拠に基づいて解釈するマルチエージェントAIワークフローDIVEの開発を目指し、複数のAIが図表の内容理解やキャプションの解釈、数値の整合性確認など複数のAIが役割分担して段階的にデータ抽出と検証をする方法を取った。
その結果、一度にデータを抽出する従来の手法に比べ、適用できる範囲が大幅に向上した。水素貯蔵材料の探索では、従来の手法より10~15%の抽出精度を示している。さらに、4,000の文献から3万件を超すデータを整理して分析可能な基盤を構築したところ、約2分という短時間で水素貯蔵のための新しい材料候補を提案できた。
AIは近年、新しい材料探索を効率よく進められる技術として注目されているが、実験データは論文中の画像として紹介されることが多く、有効活用が難しかった。
※1 マルチエージェントAI 複数のAIが役割分担し、協調してタスクを進める仕組み
論文情報:【Chemical Science】”DIVE” into Hydrogen Storage Materials Discovery with AI Agents


