2026年度入試結果ですが、各大学の入試統計の公表時期が例年より遅くなっているようです。そのため、全体集計が出るのも例年より遅くなっています。現状については、河合塾の情報サイトで集計結果(5/15現在の集計)が公表されていますが、これを見ると国公立大も私立大も一般選抜の合格者数が減っています。大学入試の競争環境は、むしろ厳しくなっているようです。

国公立大学一般選抜の合格者数は減少傾向
河合塾の入試情報サイト「Kei-Net」では、5月15日現在の集計結果が掲載されています。まだ途中経過の段階ですので、今後、集計が進めば傾向が変わるかも知れませんが、現段階で2026年度入試の結果を概観します。
国公立大一般選抜の入試結果を見ると、志願者数は前期日程100(数字は前年比%、以下同)、中期日程95、後期日程95となっています。後期日程は実施する大学が減っていますので、その影響もあって志願者数が減少しており、中期日程は昨年の高倍率の反動の影響で志願者数が減少していると見られます。ただ、最も多くの受験生が出願する前期日程は100%ですので、国公立大を目指す受験生の全体規模は昨年並みと考えられます。
一方で、合格者数を見ると前期日程97、中期日程99、後期日程95と特に前期日程と後期日程での減少が目立ちます。結果として、この段階での前期日程の倍率(志願者数÷合格者数)は2.6倍→2.6倍、中期日程6.8倍→6.5倍、後期日程の倍率8.1倍→8.2倍と後期はややアップしています。各日程とも合格者数が減っていますので、この数字だけを見ると2026年度国公立大入試は狭き門だったと言えます。
ただ、まだ入試結果の統計数字が公表されていない大学が一部あります。合格者数が判明していない大学については、当然ながら集計されていません。志願者数は全大学が判明済ですが、合格者数は未判明大学がありますので、その分だけ合格者数が昨年と比べて減っているとも考えられます。そのため、現段階の集計だけで“国公立大が難化”とはまだ言えません。今年は国公立大だけでなく、私立大も含めて、例年よりも入試統計を公表するのが遅れている大学が散見されます。全体像が見えるのはまだ先になりそうですが、受験生にとって、入試環境が緩和されたことにはなっていないようです。
【河合塾】河合塾が提供する進路・大学入試情報サイトKei-Net
https://www.keinet.ne.jp/
私立大一般選抜は志願者数増、合格者者数減
私立大一般選抜の入試結果は現段階では志願者数が増加して、合格者数が減少しています。5月15日現在の集計結果で前年比%が志願者数110、合格者数95です。全体の倍率も3.1倍→3.6倍とアップしています。私立大一般選抜は大学入学共通テストを課す共テ方式と大学独自の一般方式に大別されますが、合格者数の減少は共テ方式97、一般方式94ですので、一般方式の方が難化傾向にあったと言えます。ただし、この数値も国公立大入試結果と同様、判明分ですので、まだ合格者数などが未判明の大学は含まれていません。その中には大規模な大学がいくつか含まれていますので、この先、傾向が変わる可能性もあります。
現時点で、主要大学のグループ別集計を見ると、最難関の「早慶上理」は合格者数の前年比105、それ以外のグループの合格者数前年比は「MARCH」94、「成成明國武」98、「日東駒専」89、「関関同立」96、「産近甲龍」96です。最難関のグループ以外は合格者数を減らしています。主要な私立大の一般選抜は、受かり難かったと言えます。実は高校側の実感として、最近、主要私立大の一般選抜が受かり難くなったという話をよく聞きます。これには昨年から話題になっている、年内入試が拡大していることも影響していると思われますが、私立大が定員よりも多くの学生を入学させる率、いわゆる定員超過率を厳格にコントロールしているからではないかとの説もあります。
私立大の定員管理の厳格化の影響は?
私立大が定員よりも多くの学生を入学させることは一般的です。これは意図的と言うよりも、合格者のうち実際に入学する学生の人数を正確に予測することが難しいためです。俗に言う「読み誤る」という状態です。ただ、基準よりも多く入学者がいる場合は、ペナルティ(補助金の不交付)もありますので、各私立大は定員超過率を基準内にコントロールしようと努力します。この基準は文部科学省が決めるのですが、以前はかなり基準が緩やかでした。例えば、1991年の入学定員超過率の上限は1.8倍(医歯学部は1.1倍)と入学定員の2倍近くまで学生を入れても良かったのです。この基準が年々厳しくなり、2016年からは大規模大学にはより厳しい基準が適応され、各大学はそれに従って合格者数を減らしました。そのため、主要私立大の倍率はアップして、軒並み難化しました。これが世に言う「定員管理の厳格化」による難化です。

この定員管理の厳格化は、2022年の文科省の通知で、一部ルールが変更されたことによって、主要私立大の大幅な合格者数の減少は一旦落ち着きました。ただ、この時の通知では、<表>のように段階的に超過定員の率を下げることも指示されています。これを見ると大規模私立大の学生数は2025年度に向けて減っていくことになっています。それは合格者数の増減でコントロールされると想定されますので、実際の結果を見てみます。

<グラフ1>は私立大学の規模別に合格者数の推移を見たものです。ここには一般選抜だけではなくいわゆる年内入試の合格者数も含まれます。これを見ると大規模大はそんなに合格者数を減らしているようには見えません。むしろ小中規模私立大の方の減り幅が大きく見えます。これを入試区分別に見たのが<グラフ2>です。大学規模別には分かりませんが、確かに一般選抜の合格者数は減少しています。その代わり、学校推薦型選抜と総合型選抜の合格者数が増えています。

これらのことから、主要私立大の一般選抜に受かり難くなったことと定員管理の厳格化の関係はありそうですが、全体集計からはよく分かりません。おそらく入試制度の変更や新増設学部の設置申請・届出のため審査基準内に抑える(ここにも基準があります)など、個別大学の状況によって事情が異なるのではないかと思います。いずれにしても、もう少し入試結果の集計が進まないと全体の傾向は見えてこないようです。
【日本私立学校振興・共済事業団】私立大学・短期大学等入学志願動向
https://www.shigaku.go.jp/s_center_d_shigandoukou.htm
【文部科学省】入学者選抜実施状況
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1346790.htm