経営・経済の実学教育を120年以上にわたって続けてきた嘉悦大学。2026年4月には真田幸光新学長が就任し、その教育はさらなる進化を遂げようとしている。理論と実践を融合させる嘉悦大学ならではの学びと、時代を見据えた確固たる展望を真田学長に語っていただいた。

 

嘉悦大学 真田幸光 学長

「教育はビジネスではない」人材輩出にかける新学長の覚悟

 少子化などで大学が厳しい経営を強いられている時代。しかし、取材冒頭、真田学長からは「教育はビジネスではない」という確固たる一言が語られた。やみくもに入学者を増やせばいい、とは考えていない。

「大学は、これからの国の成長を担う若者たちを育む聖域です。ですから経営を保つために学生を誰でもいいから集める、という形にはしたくない。私たちがやるべきことは至極シンプルで、嘉悦大学で学びたいと心から思う学生に、圧倒的に質の高い教育を提供することに尽きます。いい教育をするしかありません」

 嘉悦大学の前身は、日本初の女子商業学校として1903年に設立された「私立女子商業学校」。経営と経済に重きを置き、時代に先駆けた実学教育を展開してきた。現在は男女共学の単科大学として、社会に貢献できる人材を育てている。

「学長就任後すぐに、全教員と学生たちに向けて、口を酸っぱくして伝えたゴールがあります。『社会に出てお役に立ち、商品やサービスを買ったお客様から、ありがとう、と言って頂き、そしてお客様から対価を頂戴できる仕事をしましょう』ということです。そして、そういう人をひとりでも多く輩出していくことが私たちの使命です」

 この崇高な教育を実現するために、教員陣に研究活動の絶対的な強化を課した。各教員が専門性を磨きあげ、そのアウトプットを、授業やゼミに還元する。

「嘉悦大学のさまざまな教員の名前を思い浮かべてもらえて、さらに質を高めていかなければいけません。『この先生の授業をぜひ受けたい』と入学してくる学生を増やすための変革が始まっています」
武蔵野の緑豊かな清々しい環境にとけ込んだキャンパス

いきなり実践を始めない。嘉悦大学の「一気通貫」の教育フロー

 大学は、高校までに蓄積した知識やノウハウといった「点」を発展させていく場所だと、真田学長は考えている。

「点をつなぎ合わせて『線』にし、さらにその線を『面』へと昇華させる発想力。これこそが、自分にしかできない『社会のお役に立つもの』を構築できるのです」

 この発想力を育てるためには、理論と実践がどちらも必要だ。嘉悦大学では多くの大学で実践力を身につけさせるために取り入れてきた、アクティブラーニングとは一線を画す「教育の順序」に特色がある。

〔ステップ1〕座学での理論修得:現場経験豊富な教員が、自身の体験を「言葉」にして徹底的に伝授。物事を捉える根底の知識「点」を体得。
〔ステップ2〕実践学習:理論という地図を持った状態で、ゼミなどの実践の場へ投入。

「まず座学で教員が自身の体験を言葉にして伝え、そのあとにゼミなどで実践学習をする、という流れが嘉悦大学の特徴です。点を線に、線を面にする発想の仕方をきちんと紹介しておかなければ、学生が現場で気づきを得られません。理論と実学をバランスよく教えているからこそ、本学の学生は吸収や気づきが早いんです」

 真田学長自身が教鞭を執る「就業力養成科目」では、大講堂を縦横無尽に歩き回りながら「君が銀行員だったら、どういう資産運用をお客様におすすめする?」といった双方向の問いかけが飛び交う。現場経験が豊富な教員がそろうからこそ可能な、嘉悦大学らしい学びだ。

「理論なき実践は、ただの思いつきで利益を生みません。逆に実践なき理論は、机上の空論であり、世の中は動きません。この理論と実践が美しくマッチングした瞬間に、ビジネスは爆発的に業績が拡大していきます。」

 1年次の担任制(アドバイザ制度)で強固な基礎を築き、2年次から専門的なゼミへ。この緻密なステップがあるからこそ、嘉悦の学生の現場での「気づきと吸収」のスピードが圧倒的に違うのだ。
嘉悦大学には企業などで現場経験が豊富な教員が揃う

自分自身を「ブランド」に。就職の嘉悦が約束する「エッジ」の磨き方

 基礎や理論を学んだうえで実践し、発想力を磨いていく嘉悦大学のカリキュラム。4年間の学びを通して、平均的な能力のほかにも、突き抜けた自分だけの「エッジ」を身につけてほしいと、真田学長は考えている。

「世界で愛されるブランド商品は、すべてにおいて平均点なわけではありません。他を圧倒する尖ったエッジをひとつ以上持っています。だからこそ学生たちにはゼミでエッジとなる専門性を徹底的に研ぎ澄まし、自分自身をひとつのブランドに育てあげてほしい。それが就職活動における最強の武器になります。
さらにそのブランドに対して、自信を持つことが重要です。自信があれば、なんでもできますからね」

 真田学長は、卒業生と過ごす時間も大切にしている。歴代の教え子たちが「真田先生の講義を聞きたい」と自主的に集まることも多い。人と人との縁を大切にする姿勢は、嘉悦大学でも変わらない。

「学生たちには、卒業してからが本当の付き合いだからね、と言っています。教員も学生に対して、教えたら終わり、というわけではありません。卒業後、学んだことを社会で使ってみた感想や現場の変化を教えてくれる人もいます。そうやって卒業生と教員は、お互いに成長し続けるコミュニティがここにはあります」

 「就職の嘉悦」と呼ばれるだけあり、嘉悦大学はキャリアサポートも充実している。就職のプロフェッショナルとして活躍する職員や、真田学長を含む教員のネットワークを活かし、就職活動を支援。学生の希望と企業のニーズを精緻にマッチングをしていく。

「就職して『この会社は違った』と感じたら、転職すればいいのです。大切なのは一生を振り返って『ああ、いい人生だったな』と確信できること。私たちは、最初にして最大のステップとなる教育を約束します」

 勉学も就職活動も、主体となるのは学生自身の意志だ。希望を叶えられるよう、教員も職員も一丸となって学生を育てていく。だからこそむやみに入学者を集めるのではなく、「嘉悦大学で学びたい」と願う学生が自然と集う場所にしていくことが重要だと、真田学長は念を押した。
嘉悦大学には、卒業生と教員が、お互いに成長し続けるコミュニティがある

高校生、高校の先生方へ

高校生のみなさんへ「『あなたがなりたい将来像をイメージしたとき、嘉悦大学がいちばんだと思いますか?』と尋ねたいです。もしそうなら、ぜひうちに来てください。あなたの期待を裏切りません。」
高校の先生方へ「みなさんが生徒さんたちを愛しているように、私たちも入学した学生を愛情を持って厳しく育てていきます。それは人格否定ではなく、自信と成長へ導くための愛ある厳しさです。次の時代を担う学生たちを育てていく、という『魂』は私たちは誰にも負けません」

嘉悦大学

真田 幸光 学長

1957年(昭和32年)、東京都生まれ。戦国武将・真田信之の直系子孫。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、東京銀行(現・三菱UFJ銀行)入行。ソウル支店主任支店長代理、ドレスナー銀行東京支店企業融資部長などを歴任。社会基盤研究所、日本格付研究所、国際通貨研究所などの客員研究員や中小企業総合事業団の中小企業国際化支援アドバイザー。
2024年より愛知淑徳大学名誉教授、嘉悦大学副学長。2026年4月より嘉悦大学学長。その他、武蔵野銀行 社外取締役、多摩信用金庫 監事(員外)、カヤバ株式会社 取締役(社外)、(公財)米沢上杉文化振興財団 理事等を務める。大学での講義に加え、日本の将来への提言を全国での講演・BSフジ『プライムニュース』などのメディアを通じて行っている。

 

嘉悦大学

実学を120年。「経営 経済」のKAETSU

嘉悦大学は「実学教育」を掲げ、120年以上の歴史を誇る経営・経済の単科大学です。 1年次から、ビジネスの基盤となる経営学・経済学に加え、ビジネスの現場に欠かせない「社会人基礎力」を修得。学生一人ひとりの個性に寄り添う、アットホームな教育を実践しています。 変化[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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