東京科学大学と東北大学の共同研究チームが、心電図検査のみで糖尿病予備群を発見できるAIモデルの開発に成功した。
現在、糖尿病予備群の発見には血液検査が必要とされている。一方、糖尿病は心不全のリスクとなることが知られており、糖尿病予備群の段階からすでに心臓に何らかの影響が生じている可能性が考えられる。そこで研究チームは、心電図データから独自のAIモデルを構築し、心電図のみで糖尿病予備群を検出する技術の開発を目指した。
16,766件の健診データを解析対象とし、「糖尿病予備群/糖尿病群」(1,447件)と「正常血糖群」(15,319件)に分類して予測を行う機械学習モデル“DiaCardia”を構築した。DiaCardiaは、健診で一般的に測定される12誘導心電図の特徴量のみを用いて、従来は気づくことができなかった糖尿病予備群に特有の微細な心電図変化を捉え、高い精度(AUROC:0.851、感度85.7%、特異度70.0%)で検出できることが確認された。
さらに、12誘導心電図のうち手首の電極から得られる「I誘導」の特徴量のみで解析した場合も、同等の精度で糖尿病予備群を検出することが可能であることがわかった。I誘導に相当する心電図は、腕時計型ウェアラブル端末でも取得できるため、日常生活の中でDiaCardiaによる糖尿病予備群のスクリーニングを実現できる可能性が示された。今後は社会実装に向け、実際に腕時計型ウェアラブル端末を使用した検証を進めるとしている。
これにより、健診や病院で血液検査を行わなくても、いつでも・どこでも・誰でも糖尿病予備軍を手軽に発見できるようになり、糖尿病の早期発見および発症予防に大きく貢献することが期待される。

